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沖縄の陶器やちむんについて

2016年5月8日陶芸について

『やちむん』

聞きなれない方も多くいらっしゃると思いますが、
沖縄の方言で焼物のこと

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土味の残る味わい、やさしい風合い、大柄であることが
沖縄の焼物の特徴のひとつだといえます。

 

現在の沖縄の陶器は大きく分けて
荒焼(アラヤチ)と上焼(ジョゥヤチ)
そして沖縄の屋根瓦や素焼きシーサーの3種類です。

 

荒焼は釉薬を掛けず、陶土をそのまま
焼き上げた焼き締めの技法で
土味そのままの風合いとものによっては
木灰の自然釉が景色として残る作品です。

 

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上焼きとは、陶土に白土の泥漿をコーテイングし
光沢のある釉薬で彩色したもので
琉球王朝の時代、保護され献上されていた器だとされています。
中国と関係が深かった琉球の陶器も
中国の白い器にあこがれを持っていたことが
理由ではないかと思います。

 

上絵の装飾もされる作品もあります、
沖縄の陶器の歴史では古くからこの上絵の
技法も行われていたといわれていますが、
荒焼と同時期に高度な技法の上絵が
行われていたとは考えにくいので、
私個人的には疑問を持っています。
当時の上絵の品物は海外のものではないのでしょうか。
(この件は専門家の方にお任せします。)

 

そして3つめの沖縄の赤茶の色、
屋根瓦色のシーサーは荒焼の焼き方ですが
焼成温度が低い低温焼成の焼物です。
焼成温度は工房によっ異なりますが1050度前後の
ため作品は吸水性があります。

 

陶土は石灰分の多く含んだ成分のため、
土ののびとコシがなくろくろ製作では
素地を厚く挽き、削りで薄くするという工程になります。
陶器でありながら、ロクロ目(指あと)がある
作品が少ないのもこの陶土の成分が関係しています。

 

沖縄の陶器の伝統的な色合い、茶色の飴釉、
緑色の青磁釉、そして藍色の藍釉の3種類が有名ですが、
この藍色はもともと骨壺【城を模した厨子甕(ずしがめ)】に
使用されていた色で、当時は器に藍色で装飾することは
タブーだったと以前、大先輩からお聞きしたことがあります。

 

『社会通念も、言葉も、観念も、
今のタブーは将来の常識になるんだなぁ。』
そんなことを300年前の作品を観ながら改めて思いました。

 

『沖縄陶器の持つ土の温もり、
技法を大切にしながらいろいろな技法に挑戦しよっと!』